電気料金はどれくらい上がったのか?2024〜2026年の値上げ推移と今後の見通し
電気料金は、2024年から2026年にかけて「毎月の基本料金が一律に上がった」というより、再エネ賦課金の上昇と政府支援の縮小・終了が重なった月に、請求額が大きく跳ねる形で負担が増えています。
特に見るべき数字は2つです。再生可能エネルギー発電促進賦課金は、2024年度の3.49円/kWhから2026年度は4.18円/kWhへ上がりました。400kWh使う世帯の目安では、月1,396円から月1,672円へ、月276円の増加です。
一方、月ごとの請求額では、政府の電気・ガス料金支援が縮小・終了するタイミングで上げ幅が大きくなります。2026年3月使用分は大手電力10社すべてで前月比700〜840円の値上がり、2026年4月使用分も補助終了を主因に全社で前月比393〜463円の値上がりと報じられています。
- 再エネ賦課金は2024年度3.49円/kWh、2025年度3.98円/kWh、2026年度4.18円/kWh
- 400kWh/月のモデルでは、再エネ賦課金だけで2024年度から2026年度に月276円増
- 2026年1〜2月使用分は低圧4.5円/kWhの値引き、3月使用分は1.5円/kWhへ縮小
- 2026年4月使用分からは、この冬の国の電気・ガス料金支援がなくなり、請求額を押し上げる要因になる
確認日:2026年4月20日。以下は、経済産業省・資源エネルギー庁の公表資料と主要報道に基づく整理です。
変更内容:上がっているのは主に3つの要素
電気料金の請求額は、ざっくり言えば「基本料金」「電力量料金」「燃料費調整」「再エネ賦課金」などで構成されます。2024〜2026年の負担増を見ると、特に効いているのは次の3つです。
1. 再エネ賦課金が毎年上がっている
再エネ賦課金は、電気を使う人が使用量に応じて負担する全国一律の単価です。経済産業省が毎年度設定し、電気料金に上乗せされます。
| 年度 | 適用期間 | 再エネ賦課金単価 | 400kWh/月の目安 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 2024年5月検針分〜2025年4月検針分 | 3.49円/kWh | 月1,396円 |
| 2025年度 | 2025年5月検針分〜2026年4月検針分 | 3.98円/kWh | 月1,592円 |
| 2026年度 | 2026年5月検針分〜2027年4月検針分 | 4.18円/kWh | 月1,672円 |
2024年度から2026年度までの差は0.69円/kWhです。使用量別に見ると、負担増の目安は次のようになります。
- 260kWh/月:月約179円増
- 300kWh/月:月207円増
- 400kWh/月:月276円増
- 500kWh/月:月345円増
この部分は、契約先の電力会社を変えても原則として避けにくい費用です。使用量が多い家庭ほど、上昇額もそのまま大きくなります。
2. 政府支援の縮小・終了で請求額が跳ねる
2024年以降の電気料金は、国の支援が入る月と、支援が縮小・終了する月で見え方が大きく変わります。
経済産業省の発表では、2024年8〜10月使用分、2025年1〜3月使用分、2025年7〜9月使用分、2026年1〜3月使用分などに、使用量に応じた値引きが行われました。
主な低圧向けの値引き単価は次の通りです。
| 使用月 | 低圧の値引き単価 | 400kWhの場合の値引き目安 |
|---|---|---|
| 2024年8月・9月使用分 | 4.0円/kWh | 月1,600円 |
| 2024年10月使用分 | 2.5円/kWh | 月1,000円 |
| 2025年1月・2月使用分 | 2.5円/kWh | 月1,000円 |
| 2025年3月使用分 | 1.3円/kWh | 月520円 |
| 2025年7月・9月使用分 | 2.0円/kWh | 月800円 |
| 2025年8月使用分 | 2.4円/kWh | 月960円 |
| 2026年1月・2月使用分 | 4.5円/kWh | 月1,800円 |
| 2026年3月使用分 | 1.5円/kWh | 月600円 |
2026年の場合、1〜2月使用分は400kWhで月1,800円相当の値引きがありました。3月使用分は同600円相当に縮小します。つまり、同じ使用量なら、支援の縮小だけで前月より1,200円分ほど請求が重くなる計算です。
ここがポイント: 電気料金の「値上がり」は、電力会社の料金単価だけでなく、国の値引きが減ることでも起きます。請求書を見るときは、燃料費調整額だけでなく「国の支援による値引き」が残っているかを確認する必要があります。
3. 燃料費調整は月ごと・地域ごとに動く
燃料費調整は、原油、LNG、石炭などの燃料価格や為替の動きが反映されます。ここは地域の電力会社や契約プランによって差が出ます。
2026年3月使用分については、政府補助の縮小や燃料費上昇を受け、大手電力10社すべてで標準家庭の料金が前月より上がりました。報道された主な金額は次の通りです。
- 北海道電力:9,064円、前月比700円増
- 東京電力:8,319円、前月比822円増
- 中部電力:7,999円、前月比840円増
- 関西電力:7,401円、前月比780円増
- 九州電力:7,134円、前月比773円増
続く2026年4月使用分も、3月までの政府支援がなくなったことなどから、大手電力10社すべてで値上がりしています。東京電力の標準家庭は8,777円、前月比458円増と報じられました。
対象者:ほぼすべての電気利用者が関係する
今回の推移で影響を受ける人は広いです。
再エネ賦課金の対象
再エネ賦課金は、家庭だけでなく、事業者も含めて電気の使用量に応じてかかります。全国一律の単価なので、地域差よりも「どれだけ使ったか」が負担額に直結します。
影響が大きくなりやすいのは、次のようなケースです。
- オール電化住宅
- 在宅時間が長い世帯
- 夏冬にエアコン使用が多い家庭
- 電気温水器、浴室乾燥機、食洗機などをよく使う家庭
- 小規模店舗、事務所、工場など電力使用量が多い事業者
政府支援の対象
2026年1〜3月使用分の支援では、低圧と高圧に値引き単価が設定されています。家庭の多くは低圧に該当します。高圧は、工場、商業施設、病院などで使われることが多い契約です。
一方、特別高圧で受電する中小企業などは、国の一律値引きとは別に、自治体の重点支援地方交付金などを通じた支援が扱われる場合があります。該当する事業者は、国の資料だけでなく、所在する自治体の制度も確認が必要です。
開始時期:次の山は2026年5月検針分
2026年春以降で、家庭が確認すべき時期は2つあります。
- 2026年4月使用分:2026年1〜3月使用分の国の支援が終了し、補助なしの請求に戻る
- 2026年5月検針分:2026年度の再エネ賦課金4.18円/kWhが適用される
4月使用分では補助終了の影響が出ます。5月検針分以降は、再エネ賦課金の新単価も請求に入ります。
ただし、実際の請求月や「何月分」と表示されるかは、検針日や契約先の表示方法でずれます。請求書では「使用期間」「検針日」「燃料費調整単価」「再エネ賦課金単価」をセットで見るのが確実です。
生活への影響:月数百円の固定的な増加と、補助終了時の段差が重なる
生活への影響は、2段階で考えると分かりやすくなります。
まず、再エネ賦課金の上昇は、毎月じわじわ効きます。2024年度から2026年度への上昇分は、400kWhの家庭で月276円、年3,312円です。これは小さく見えても、使用量を減らさない限り毎月かかります。
次に、政府支援の縮小・終了は、特定の月に請求額を大きく押し上げます。2026年1〜2月使用分の低圧値引きは4.5円/kWhでしたが、3月使用分は1.5円/kWhです。400kWhなら、値引き額は1,800円から600円へ減ります。
つまり、2026年春の負担増は次のように分けて見る必要があります。
- 再エネ賦課金:2026年度単価への切り替えで、2025年度比0.20円/kWh増
- 政府支援:2026年3月使用分で縮小、4月使用分から終了
- 燃料費調整:燃料価格や為替、地域ごとの算定で毎月変動
「去年より高い」「前月より急に高い」と感じたとき、原因がどれかを分けて見ると、契約見直しで対応できる部分と、使用量を下げるしかない部分が見えます。
必要な対応:請求書で見るべき項目
電気料金の上昇に対して、最初にやるべきことは契約変更ではなく、請求書の内訳確認です。
確認する項目は多くありません。
- 使用量:前年同月や前月よりkWhが増えていないか
- 燃料費調整単価:値引き後か、値引き前か
- 再エネ賦課金単価:2026年5月検針分以降は4.18円/kWhになっているか
- 国の支援による値引き:2026年4月使用分以降に残っていないか
- 契約アンペア・契約容量:基本料金が過大になっていないか
家庭でできる見直しは、使用量の大きい機器から順に見るのが現実的です。照明を細かく消すより、冷暖房、給湯、乾燥機、古い冷蔵庫、待機時間の長い家電のほうが差が出やすい場合があります。
電力会社や料金プランの変更は、燃料費調整の上限、ポイント還元、解約条件、セット割の条件まで確認してから判断する必要があります。安く見えるプランでも、燃料費調整や市場連動部分で請求が動きやすいものがあります。
注意点:単純な「電力会社の値上げ」とは言い切れない
2024〜2026年の電気料金を読むときは、次の点を混同しないことが重要です。
- 再エネ賦課金は全国一律で、毎年度の国の設定による
- 燃料費調整は電力会社・地域・契約プランで異なる
- 政府支援は、実施月・値引き単価・対象契約が決まっている
- 標準家庭の報道額は目安であり、実際の請求額は使用量で変わる
- 2026年4月使用分以降の追加支援は、確認時点で同じ形の継続が公表されているわけではない
標準家庭の金額は比較には便利ですが、自宅の請求額そのものではありません。オール電化、在宅勤務、家族人数、地域の気温、契約容量で大きく変わります。
今後の見通し:2026年は「補助なしの月」と「夏の使用量」が焦点
2026年の電気料金で次に見るべきなのは、補助がない状態で夏を迎えたときの請求額です。
再エネ賦課金は2026年5月検針分から4.18円/kWhに上がります。夏場に使用量が増えれば、賦課金の負担も使用量に比例して増えます。燃料費調整も月ごとに動くため、春の請求額だけで年間の負担を判断するのは早いです。
今後の注目点は次の3つです。
- 2026年5月検針分以降、再エネ賦課金4.18円/kWhが請求にどう反映されるか
- 夏の冷房需要期に、国の追加支援があるか
- 燃料価格と為替の動きが、燃料費調整単価を押し上げるか
家計管理としては、前年同月の使用量と請求額を並べて見るのが最も実用的です。料金単価だけを見ても、使用量が増えれば請求額は上がります。2026年夏は、請求書の「kWh」と「値引きの有無」を先に確認することが、値上がりの原因を見誤らないための第一歩になります。
参照リンク
- 経済産業省:2024年度以降の買取価格等と2024年度の賦課金単価
- 経済産業省:2025年度以降の買取価格等と2025年度の賦課金単価
- 経済産業省:2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価
- 経済産業省:2024年8月、9月及び10月使用分の電気・ガス料金支援
- 経済産業省:2025年1月、2月及び3月使用分の電気・ガス料金支援
- 経済産業省:2025年7月、8月及び9月使用分の電気・ガス料金支援
- 経済産業省:2026年1月、2月及び3月使用分の電気・ガス料金支援
- 資源エネルギー庁:エネルギー価格の支援について
- テレビ朝日:4月使用分 電気・ガス料金 大手すべてで値上がり
- TBS CROSS DIG:3月使用分の電気・ガス料金 全国的に値上がり
