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火災保険料はなぜ上がる?2026年時点で整理する水災リスクと補償見直しの要点

火災保険料はなぜ上がる?2026年時点で整理する水災リスクと補償見直しの要点

火災保険料はなぜ上がる?2026年時点で整理する水災リスクと補償見直しの要点

火災保険料は、自然災害による保険金支払いの増加と、水災リスクを地域ごとに反映する料率見直しが重なって上がりやすくなっています。

2023年6月に損害保険料率算出機構が住宅総合保険の参考純率を全国平均で13.0%引き上げ、水災料率を全国一律から5区分へ細分化しました。実際の保険料は保険会社ごとに異なりますが、2024年10月始期の契約から改定を案内する会社が増え、契約者は「どこに住み、何を補償に残すか」を以前より細かく見直す局面に入っています。

  • 何が変わったか: 火災保険の参考純率が引き上げられ、水災料率は市区町村単位のリスク差を反映する方向に進んだ
  • 誰に影響するか: 戸建て所有者だけでなく、低層階の区分マンション、家財補償を付ける賃貸入居者にも影響する
  • いつからか: 参考純率の改定は2023年6月届出、保険会社では2024年10月1日始期契約の改定案内が目立つ
  • 今やること: ハザードマップ確認、水災補償の要否、免責金額、建物と家財の保険金額を見直す
目次

変更内容

まず押さえたいのは、「火災保険料が一律で同じように上がる」わけではないという点です。

損害保険料率算出機構は2023年6月28日公表の資料で、住宅総合保険の参考純率を全国平均13.0%引き上げ、さらに水災に関する料率を地域のリスクに応じて5区分に細分化すると示しました。これは各社の最終保険料そのものではありませんが、保険料の土台になる数字です。

水災料率の細分化では、地域の単位は市区町村別、区分は1等地から5等地までの5区分です。損保料率機構の説明では、保険料全体ベースで見ると、最も高い地域は最も低い地域より約1.2倍になる設計です。急な負担増を避けるため、激変緩和措置も入っています。

ここがポイント: 火災保険料の上昇は「全国的な値上げ」だけではなく、水災リスクの地域差が保険料に映りやすくなったことが大きいです。

対象者

影響を受けやすいのは、次のような契約者です。

  • 戸建て住宅の所有者
  • 1階や半地下に住む区分マンション所有者
  • 家財の水災補償を付けている、または外そうとしている賃貸入居者
  • 更新時期が近く、2024年10月以降の料率改定を反映した見積もりを受ける人

「マンションだから水災は不要」とは言い切れない

損保料率機構は、水災リスクを外水氾濫、内水氾濫、土砂災害などをまとめて見ていると説明しています。洪水だけではありません。

同機構の別紙では、マンションのように一定の高さがある建物でも、大雨による排水管の逆流などで被害が起こりうるとしています。河川から離れた場所でも、土砂災害の対象なら無関係ではありません。

一方で、日本損害保険協会の案内の通り、商品によっては住宅総合型には水災補償があり、ベーシックな住宅火災保険には水災が付かないものもあります。見積書で「水災あり」「水災なし」を分けて確認したいところです。

開始時期

時系列で見ると、今回の流れはこうです。

  • 2022年3月31日: 金融庁が「火災保険水災料率に関する有識者懇談会」報告書を公表
  • 2023年6月21日: 損保料率機構が火災保険参考純率改定を金融庁へ届出
  • 2023年6月28日: 同機構が適合通知の受領と改定概要を公表
  • 2024年10月1日以降始期: 三井住友海上などで改定後の商品案内が反映
  • 2026年2月26日: 損保料率機構が市区町村別の水災補償付帯率を公表

三井住友海上は公式サイトで、2024年10月1日以降始期契約から「GK すまいの保険」の保険料と補償内容等を改定したと案内しています。損保ジャパンでも「2024年10月 特約火災保険改定のご案内」が公開されています。

生活への影響

火災保険料が上がる理由は、単なる制度変更ではありません。災害リスクそのものが重くなっているからです。

国土交通省の案内では、全国の1時間降水量50mm以上の雨は、1976年から1985年の平均174回に対し、2010年から2019年は平均251回で、約1.4倍に増えています。強い雨が増えれば、床上浸水や土砂流入、排水能力を超える内水氾濫も増えやすくなります。

保険金支払いも軽くありません。損保料率機構の2023年度統計では、住宅物件の事故種別支払統計表で水災の支払件数は7,642件、支払保険金は約322.9億円でした。火災そのものだけでなく、水災が大きな支払い項目になっていることが分かります。

その一方で、水災補償を付ける契約は減っています。損保料率機構が2025年11月28日に公表した2024年度データでは、火災保険の水災補償付帯率は全国計で61.8%でした。2023年度の63.0%からさらに下がっています。

この数字が意味するのは、保険料負担を抑えるために水災補償を外す人が増える一方、実際の豪雨リスクは弱まっていないということです。

必要な対応

見直しは「安くする」より先に、「外しても耐えられる損失か」を確認する順番が安全です。

1. 住所ベースで水災リスクを確認する

  • 国土交通省のハザードマップポータルサイトで洪水、内水、土砂災害を確認する
  • 河川沿いかどうかだけで判断しない
  • 建物の1階、半地下、駐車場、電気設備の位置も見る

2. 水災補償を外す前に、被害の形を想定する

  • 床上浸水で建物修理費が出るか
  • 家財が水につかったときの買い替え費用を自己負担できるか
  • 土砂流入や排水逆流でも補償対象になる商品か

3. 保険金額と免責金額を点検する

  • 建物の再調達価額に対して保険金額が不足していないか
  • 家財の評価額を古いままにしていないか
  • 免責金額を上げて保険料を抑える選択肢があるか

4. 火災保険でカバーできない範囲も確認する

損保料率機構の案内でも、地震や噴火、これらによる津波は火災保険では補償されません。水災を見直すついでに、地震保険の有無も一緒に点検しておくべきです。

注意点

最後に、誤解しやすい点を短く整理します。

  • 参考純率の13.0%引き上げは、全契約者の実際の保険料が一律13.0%上がる意味ではない
  • 水災等地が低い地域でも水害が起きないわけではない。損保料率機構もその点を明記している
  • ハザードマップと保険料区分は一致しないことがある。保険は外水氾濫だけでなく、内水氾濫や土砂災害も含めて見ているため
  • 補償を外す判断は更新月の見積比較だけで決めない。建物の階数、家財量、避難しやすさで必要額は変わる

保険料が上がる局面では、いちばん削りやすいのが水災補償です。ただ、豪雨が増える中で、そこを外した結果の自己負担は重くなりやすい。次の更新では、保険料の増減だけでなく、自宅の住所でどの水害が起こりうるのかを先に確認することが、いちばん実務的な見直しになります。

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