インターネット回線の料金は今後どうなる?光回線・5Gの価格競争と動向
インターネット回線の料金は、一斉に安くなる流れではなく、基本料金は横ばいから一部値上げ、代わりに10ギガ移行やホームルーターの割引競争が強まる局面に入っています。
2026年4月22日時点の公式情報を見ると、5GホームルーターではNTTドコモが2025年7月1日に月額を4,950円から5,280円へ改定。一方で、光回線は10ギガを比較的近い価格帯まで下げるキャンペーンが続いており、「安さだけなら5G」「安定性なら光」という単純な構図ではなくなっています。
- 5Gホームルーターは月額4,840円から5,500円前後に集中
- 光回線は2ギガと10ギガの価格差が縮み、高速回線の実質負担が下がりやすい
- 2026年は新たにブロードバンドユニバーサルサービス料の負担も始まり、完全な据え置きではない
- 料金を見るときは月額だけでなく、端末代、工事費、契約期間、解約時の残債まで確認が必要
ここがポイント: これからの競争は「基本料金の大幅値下げ」より、「10ギガへの誘導」「乗り換え還元」「スマホセット割」「期間限定の実質負担引き下げ」が中心です。
変更内容
まず、主要サービスの公開料金を並べると、いま何が起きているかが見えやすくなります。
主要サービスの料金感
| サービス | 種別 | 主な公開料金 | 見ておきたい点 |
|---|---|---|---|
| NTTドコモ home 5G | 5Gホームルーター | 月額5,280円 | 2025年7月1日に4,950円から値上げ |
| SoftBank Air | 5Gホームルーター | 基本料金5,368円 端末購入時は24カ月目まで月4,950円の例あり |
端末代と割引終了後の負担差が出る |
| Rakuten Turbo | 5Gホームルーター | 月額4,840円 | 端末代41,580円だが実質0円キャンペーンあり |
| au ホームルーター 5G | 5Gホームルーター | 13カ月間4,950円、その後5,500円 | 長期利用では後半の月額が効く |
| NURO 光 2ギガ | 光回線 | 月額5,200円 | 3年契約、工事費実質無料特典あり |
| NURO 光 10ギガ | 光回線 | 月額5,700円 | 2ギガとの差は500円 |
| フレッツ 光クロス | 光回線 | 回線月額6,050円+プロバイダ料1,100円〜 | 10ギガ帯を正面から押し出す価格設計 |
いまの変化をどう読むか
5Gホームルーターでは、工事不要の手軽さは強いものの、主要各社の月額はすでに5,000円前後まで並んでいます。しかもドコモは2025年7月1日に値上げしました。ここだけを見ると、「5Gだから安い」とは言い切れません。
一方の光回線は、10ギガを前面に出した販売が目立ちます。NURO 光は通常の公開料金で2ギガ5,200円、10ギガ5,700円と差が500円です。NTT東日本のフレッツ 光クロスも回線月額6,050円で、終了時期未定の「クロス月額割」を継続しています。
つまり、価格競争の主戦場は値下げそのものより、高速プランをどこまで近い負担で選ばせるかに移っています。
対象者
影響が大きいのは、次のような人です。
- 新生活や引っ越しで新規契約する人
- いまホームルーターを使っていて、速度や安定性に不満がある人
- オンライン会議、動画配信、ゲーム、大容量バックアップを日常的に使う人
- 家族で同時接続が多く、夜間の混雑に弱い回線を避けたい人
- スマホとのセット割で実質負担を下げたい人
逆に、単身で通信量が比較的少なく、引っ越しが多い人は、工事不要の5Gホームルーターがまだ有力です。設置してすぐ使えること自体が、月数百円の差より重要になる場面があるからです。
開始時期
料金を見るうえで、日付は整理しておいたほうが判断しやすくなります。
- NTTドコモの「home 5G プラン」は2025年7月1日に4,950円から5,280円へ改定
- ブロードバンドユニバーサルサービス制度は2026年3月利用分から各社で請求開始
- TCAのQ&Aでは、令和8年度の回線単価は1年間で2円と案内
- NTT東日本の「クロス月額割」は、2026年4月22日時点で終了時期未定
ここで見落としやすいのが、月額本体とは別に増える小額負担です。2026年は1回線あたり年2.2円(税込)のブロードバンドユニバーサルサービス料を案内する事業者が増えています。金額は小さいですが、通信費が完全据え置きではないことを示す材料です。
生活への影響
家計への影響は、単純な「値上げか値下げか」よりも、どの方式を選ぶかで変わります。
ホームルーターを選ぶ場合
- 初期工事が不要で、転居時の動きは軽い
- 月額は4,840円から5,500円前後で大差がつきにくい
- 端末代や割引終了後の負担を入れると、見た目より総額が上がることがある
- 混雑時間帯や設置場所の電波状況で体感差が出やすい
ドコモ、ソフトバンク、auはいずれも5,000円前後です。楽天は月額が低めですが、端末購入条件や支払い回数の確認は必要です。短期的な月額だけで決めると、後で「思ったより安くなかった」となりやすい分野です。
光回線を選ぶ場合
- 工事は必要だが、通信の安定性では有利
- 2ギガと10ギガの差が縮み、上位プランを選びやすくなっている
- キャンペーン込みでは、10ギガの実質負担が5Gホームルーターにかなり近づく
- 解約金よりも、工事費残債や契約年数のほうが効くケースがある
特に注目したいのは10ギガです。NURO 光は戸建て向けで2ギガも10ギガも「3年間月額3,980円」という訴求を出しており、通常料金ベースでも2ギガ5,200円、10ギガ5,700円です。速度を重視する家庭では、いまは「高いから10ギガは除外」と切り捨てにくくなっています。
必要な対応
契約前に確認したいポイントは、かなり絞れます。
- 月額の通常料金と、キャンペーン終了後の料金を分けて見る
- 端末代や工事費が実質無料なのか、途中解約で残債が出るのか確認する
- 5Gホームルーターは利用住所の制限と対応エリアを確認する
- 光回線は建物の設備、工事可能日、提供エリアを先に確認する
- スマホとのセット割を含めた総額で比較する
比較の順番は次の形が失敗しにくいです。
- 自宅で光回線が引けるか確認する
- 2年から3年使う前提で総額を出す
- そのうえで、工事不要の利便性にいくら払うか考える
月額だけなら近く見えても、2年から3年の総額では差が広がります。とくにホームルーターは端末代、光回線は工事費残債が効きます。
注意点
最後に、誤解しやすい点を整理します。
- 5Gホームルーターの「データ無制限」は、混雑時の速度制御がない意味ではありません
- 光回線の「10ギガ」は技術規格上の最大値で、実効速度は機器や宅内環境で変わります
- キャンペーン金額は常設ではなく、終了時期未定や条件付きのものが多いです
- ブロードバンドユニバーサルサービス料は2027年以降の金額が未定です
今後の見方を一言でまとめるなら、5Gホームルーターは“手軽さをいくらで買うか”、光回線は“上位速度をどこまで低い差額で取れるか”の競争です。次に見るべきなのは、月額の表面価格より、10ギガの販促がどこまで続くか、そして2027年以降の付加料金がどう動くかです。
