介護サービス利用料の見方:1割・2割・3割負担と2026年8月の施設費変更を確認
介護サービスの利用料は、保険対象部分が原則1割負担、所得が高い人は2割または3割負担で、施設入所やショートステイでは食費・居住費などの追加費用が別にかかります。
2026年5月31日時点で特に確認したいのは、2026年8月1日から介護保険施設などの食費・居住費の負担限度額が一部変わる点です。対象は主に、低所得者向けの軽減制度である「介護保険負担限度額認定」を受ける人の一部です。
- 在宅サービスの基本は、要介護度ごとの上限額内で1割・2割・3割負担
- 所得により自己負担割合は変わり、割合証で確認する
- 施設やショートステイでは、食費・居住費・日常生活費が別に発生する
- 2026年8月1日から、施設利用時の食費・居住費の軽減額に関係する基準が一部変更される
変更内容:2026年8月から施設の食費・居住費の軽減基準が一部変わる
介護サービスそのものの自己負担割合は、現時点で全国一律に「原則1割、一定以上所得者は2割または3割」という仕組みです。
一方で、2026年8月1日から変わるのは、介護保険施設やショートステイを使う人の食費・居住費の負担限度額です。厚生労働省の通知では、負担能力に応じた負担を進める観点から、低所得者向けの補足給付の基準が見直されています。
介護サービス費と追加費用は分けて見る
介護費用は、次の2階建てで考えると整理しやすくなります。
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介護保険サービス費
訪問介護、通所介護、訪問看護、施設サービスなどの本体部分。利用者は原則1割、所得により2割または3割を負担します。 -
追加でかかる費用
施設の食費・居住費、理美容代、日用品代、教養娯楽費、限度額を超えたサービス費など。保険対象外または別枠の負担になるものがあります。
ここがポイント: 「介護サービスは1割負担」と聞いていても、施設入所やショートステイでは食費・居住費が別に乗るため、月額の支払いはサービス費の1割だけでは収まりません。
2026年8月以降の主な変更点
厚生労働省の「介護保険最新情報 Vol.1481」では、2026年8月からの補足給付の仕組みとして、食費・居住費の基準費用額と負担限度額が示されています。
主な確認点は次の通りです。
- 食費は、利用者負担段階に応じて日額の負担限度額が設定される
- 第3段階のうち、年金収入等が一定額を超える層では負担が上がる部分がある
- 居住費は、多床室、従来型個室、ユニット型個室など部屋の種類で金額が異なる
- ショートステイは、施設入所と同じ表でも一部の食費限度額が別扱いになる
たとえば2026年8月以降の資料では、食費の基準費用額は日額1,545円、ユニット型個室の居住費の基準費用額は日額2,066円とされています。低所得者向けの負担限度額は、この基準費用額より低く設定され、差額が介護保険から給付される仕組みです。
対象者:在宅サービス利用者と施設利用者で見る場所が違う
介護費用の確認では、まず「どのサービスを使うか」を分けます。
在宅サービスを使う人
自宅で暮らしながら、訪問介護、デイサービス、訪問看護、福祉用具貸与などを使う人は、要介護度ごとの支給限度額が大きな目安になります。
1か月の上限額内であれば、本人の負担割合に応じて1割・2割・3割を支払います。上限を超えた分は、原則として全額自己負担です。
介護保険の支給限度額は、1単位10円で概算すると次のように見ます。実際の金額は地域区分により変わります。
| 区分 | 支給限度額の目安 | 1割負担の目安 | 2割負担の目安 | 3割負担の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 要支援1 | 50,320円 | 5,032円 | 10,064円 | 15,096円 |
| 要支援2 | 105,310円 | 10,531円 | 21,062円 | 31,593円 |
| 要介護1 | 167,650円 | 16,765円 | 33,530円 | 50,295円 |
| 要介護2 | 197,050円 | 19,705円 | 39,410円 | 59,115円 |
| 要介護3 | 270,480円 | 27,048円 | 54,096円 | 81,144円 |
| 要介護4 | 309,380円 | 30,938円 | 61,876円 | 92,814円 |
| 要介護5 | 362,170円 | 36,217円 | 72,434円 | 108,651円 |
この表は、あくまで保険対象サービス費の目安です。食事代、交通費、日用品代、保険外サービスは別に確認します。
施設やショートステイを使う人
施設サービスでは、介護サービス費の自己負担に加えて、食費・居住費・日常生活費がかかります。
対象になる施設は、主に次のようなサービスです。
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 介護医療院
- ショートステイ
低所得の人は、市区町村に申請して「介護保険負担限度額認定証」の交付を受けると、食費・居住費の負担が軽くなる場合があります。今回の2026年8月の見直しは、この認定を受ける人の一部に関係します。
自己負担割合:1割・2割・3割は所得で決まる
自分が何割負担かは、市区町村から交付される「介護保険負担割合証」で確認します。
厚生労働省資料では、介護保険給付は9割、8割、7割給付の仕組みとして整理されています。つまり、利用者側から見ると1割、2割、3割負担です。
2割・3割になる目安
65歳以上の第1号被保険者では、本人の合計所得金額や年金収入、同一世帯の65歳以上の人数によって判定されます。
おおまかな目安は次の通りです。
- 1割負担: 多くの利用者、住民税非課税者、生活保護受給者など
- 2割負担: 本人の合計所得金額が160万円以上で、年金収入等が単身280万円以上などの条件に当てはまる人
- 3割負担: 本人の合計所得金額が220万円以上で、年金収入等が単身340万円以上などの条件に当てはまる人
夫婦世帯など、同一世帯に65歳以上の人が複数いる場合は、判定に使う収入基準が変わります。前年の所得で判定されるため、退職、年金額の変化、不動産売却などがあった人は、負担割合証の更新時に変わる可能性があります。
開始時期:2026年8月1日から確認が必要
今回の施設費用に関する見直しは、2026年8月1日施行です。
ただし、毎月の請求額にどう出るかは、次の条件で変わります。
- 施設入所かショートステイか
- 食費・居住費の軽減認定を受けているか
- 利用者負担段階が第何段階か
- 部屋が多床室、従来型個室、ユニット型個室などのどれか
- 月の利用日数が何日か
たとえば日額で30円上がる場合、30日利用なら月900円の増加です。日額100円上がる場合は、30日で月3,000円です。食費と居住費の両方が変わる人は、合計額で確認する必要があります。
生活への影響:月額では「本体1割」より追加費用が効く
在宅サービスでは、介護度が上がるほど使えるサービス量が増え、自己負担額も増えやすくなります。ただし支給限度額の範囲内なら、1割負担の人は月数千円から数万円の範囲で見通しを立てやすい仕組みです。
施設利用では、負担の見え方が変わります。介護サービス費の1割・2割・3割に加えて、食費と居住費が日数分かかるからです。
特に注意したいのは、次の費用です。
- 食費: 施設やショートステイで毎日発生する
- 居住費: 部屋の種類で大きく違う
- 日常生活費: 理美容代、教養娯楽費、日用品代など
- 限度額超過分: 在宅サービスで支給限度額を超えた分
- 保険外サービス: 見守り、家事代行、配食など契約内容によるもの
介護サービス費そのものには「高額介護サービス費」という月額上限の仕組みがありますが、食費・居住費・日常生活費などは対象外になるものがあります。請求書を見るときは、介護保険対象分と対象外分を分けて見ることが大切です。
必要な対応:割合証・認定証・請求内訳を確認する
介護費用を抑えるために、まず確認したいのは制度の対象になっているかどうかです。無理にサービスを削る前に、証書と請求書を見直します。
1. 負担割合証を見る
市区町村から届く「介護保険負担割合証」に、1割・2割・3割のいずれかが記載されています。
サービス事業所や施設に提示しているかも確認してください。割合証の内容が変わると、同じサービス量でも支払額が変わります。
2. 施設利用者は負担限度額認定を確認する
施設入所やショートステイを利用している人は、「介護保険負担限度額認定」の対象になるかを市区町村で確認します。
対象になる可能性があるのは、住民税非課税世帯など一定の条件に当てはまる人です。預貯金などの資産要件もあるため、所得だけでは判断できません。
3. ケアマネジャーに月額試算を出してもらう
在宅サービスでは、ケアプランの段階で月額の自己負担見込みを確認できます。
見るべき項目は次の3つです。
- 支給限度額に対して何%くらい使っているか
- 限度額を超えているサービスがないか
- 保険外サービスや実費負担が混ざっていないか
施設の場合は、相談員や事務担当者に、2026年8月以降の食費・居住費を反映した月額見込みを確認すると実態に近くなります。
注意点:地域差と契約条件で金額は変わる
介護サービスの料金は、全国どこでも完全に同じではありません。介護報酬は単位で決まり、地域ごとの人件費差を反映する「地域区分」によって1単位の単価が変わります。
また、同じサービス名でも、事業所の体制や利用者の状態によって加算が付きます。たとえば処遇改善加算、入浴介助、個別機能訓練、夜間対応などです。
誤解しやすい点をまとめると、次の通りです。
- 「1割負担」は保険対象部分の話で、食費・居住費まですべて1割になるわけではない
- ケアプラン作成にあたる居宅介護支援は、利用者負担なしで保険給付される
- 施設の食費・居住費は、負担限度額認定の有無で大きく変わる
- 高額介護サービス費の対象になる費用と、ならない費用がある
- 2026年8月の変更は、全介護サービス利用者が一律に値上げされるものではない
まず確認する3つのポイント
介護費用は、サービス名だけでは判断できません。割合、上限、追加費用の順に見ると、家計への影響をつかみやすくなります。
- 自分の負担割合証が1割・2割・3割のどれか
- 在宅サービスなら、要介護度ごとの支給限度額にどれくらい近いか
- 施設やショートステイなら、2026年8月以降の食費・居住費と負担限度額認定の有無
次に見るべきは、2026年8月以降の施設請求書です。日額の変更は小さく見えても、30日分では月額に効きます。施設利用者や家族は、7月までの請求内訳と8月以降の見込み額を並べて確認しておくと、負担増の理由を追いやすくなります。
