2026年6月から医療費の窓口負担はどう変わる?初診・再診で見る確認ポイント
2026年6月1日から診療報酬本体の改定が始まり、外来では再診料が1点上がり、初診・再診時などに「物価対応料」が新設されます。
診療報酬は1点=10円で計算し、患者は年齢や所得に応じて1割、2割、3割などを窓口で支払います。つまり、点数が上がると、同じ診察でも自己負担額が少し増える場合があります。
まず押さえる点は次の4つです。
- 適用開始は、診療報酬本体・材料が2026年6月1日。薬価改定は2026年4月1日から。
- 医科の初診料は291点で据え置き、再診料は75点から76点へ。
- 外来・在宅物価対応料は、2026年度に初診時・再診時等が2点、訪問診療時が3点。2027年度はそれぞれ倍になる予定。
- 75歳以上などの後期高齢者で2割負担の人にあった外来負担増の配慮措置は、2025年9月30日に終了済み。
変更内容:初診料本体は据え置き、再診料と物価対応料がポイント
今回の外来受診で見ておきたいのは、「初診料そのもの」だけではありません。
厚生労働省の令和8年度診療報酬改定資料では、医科の初診料は291点のままです。一方、再診料は75点から76点に上がります。さらに、物価や賃上げへの対応として、基本診療料などに併せて算定できる「物価対応料」が新設されます。
主な変更は次の通りです。
| 項目 | 改定前 | 2026年度 | 2027年度予定 |
|---|---|---|---|
| 初診料 | 291点 | 291点 | 公表資料上は同点数 |
| 再診料 | 75点 | 76点 | 公表資料上は76点 |
| 外来・在宅物価対応料:初診時 | なし | 2点 | 4点 |
| 外来・在宅物価対応料:再診時等 | なし | 2点 | 4点 |
| 外来・在宅物価対応料:訪問診療時 | なし | 3点 | 6点 |
1点は10円なので、外来・在宅物価対応料2点は医療費ベースで20円です。3割負担なら窓口負担の目安は6円、2割なら4円、1割なら2円です。
ただし、窓口での実際の支払額は、検査、処置、薬、各種加算、端数処理、医療機関の届出状況で変わります。領収証では「初診・再診」だけでなく、医学管理、検査、画像診断、投薬、注射などの欄も確認してください。
対象者:全国の公的医療保険で受診する人に関係する
診療報酬は全国共通の公定価格です。対象は、会社員の健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度など、公的医療保険を使って医療機関を受診する人です。
自己負担割合は人によって違います。
- 現役世代など:原則3割
- 70歳以上75歳未満:所得などにより2割または3割
- 75歳以上などの後期高齢者:原則1割、一定以上所得者は2割、現役並み所得者は3割
ここで大事なのは、「点数の変更」と「負担割合の変更」は別物だという点です。2026年6月の診療報酬改定は、診療行為ごとの点数や加算の見直しです。年齢・所得による負担割合そのものが一律に変わる、という発表ではありません。
開始時期:診療報酬本体は2026年6月、薬価は4月
厚生労働省は、令和8年度診療報酬改定について、診療報酬本体と材料は2026年6月1日施行、薬価は2026年4月1日施行としています。
外来で影響を受けやすい時期は次の通りです。
- 2026年4月1日:薬価改定
- 2026年6月1日:診療報酬本体・材料の改定
- 2026年8月:高額療養費制度で新たに年間上限を設ける見直しが予定
- 2027年6月以降:物価対応料は2026年度の2倍となる予定
- 2027年8月:高額療養費制度の所得区分細分化などが予定
ここがポイント: 2026年6月の外来負担は、初診料本体の大幅値上げではなく、再診料の1点増と物価対応料の新設を中心に見ると整理しやすくなります。
生活への影響:1回ごとは小さくても、通院回数が多い人は確認を
初診・再診の基本部分だけを見ると、1回あたりの増加額は数円から十数円程度に見えます。
たとえば3割負担の場合、物価対応料2点だけなら窓口負担の目安は6円です。再診料の1点増と物価対応料2点を合わせると医療費ベースで30円、3割負担なら9円程度です。
ただし、慢性疾患で毎月通院する人、検査や薬が多い人、在宅医療を受けている人は、基本料以外の見直しも合わさります。医療費の変化を見るときは、次の順で確認すると実態に近づきます。
- 前回と今回の領収証を並べる
- 「初・再診料」欄の点数を見る
- 検査、医学管理、投薬、処置の点数が変わっていないか見る
- 院外処方なら、薬局の明細も確認する
- 高額な治療がある月は、高額療養費制度の上限も確認する
高額療養費制度は、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が上限額を超えた場合に、その超えた額が支給される仕組みです。厚生労働省は、2026年8月から年間上限を設ける見直しも示しています。
必要な対応:領収証と自己負担割合を確認する
多くの人にとって、2026年6月の改定だけで受診行動を大きく変える必要はありません。必要なのは、窓口負担が増えたときに理由を切り分けられるようにしておくことです。
確認しておきたい項目は次の通りです。
- 自分の自己負担割合が1割、2割、3割のどれか
- 受診した日が2026年6月1日以降か
- 領収証の「初・再診料」欄に変化があるか
- 薬代が変わった場合、薬価改定や処方内容の変更が関係しているか
- 高額な治療では、マイナ保険証や限度額適用認定証で窓口負担を抑えられるか
75歳以上などの後期高齢者で2割負担の人は、2025年9月30日に配慮措置が終了しています。厚生労働省は、終了後も高額療養費制度により外来の自己負担上限は月18,000円、年間144,000円までと説明しています。
注意点:自由診療や自治体助成は別に見る
今回の整理は、公的医療保険が使える診療の話です。美容医療、健康診断、予防接種の一部、診断書料などの自由診療や文書料は、診療報酬点数とは別の料金体系です。
また、子どもの医療費助成、ひとり親家庭医療費助成、障害者医療費助成などは自治体によって内容が違います。窓口で支払う額が少ない、または無料になっている人は、国の診療報酬改定だけでなく、住んでいる自治体の助成制度も確認してください。
今後見るべきポイントは3つです。
- 2026年6月以降の領収証で、初・再診料と加算の点数がどう変わるか
- 2026年8月以降、高額療養費制度の見直しが自分の所得区分にどう関係するか
- 2027年度に物価対応料が予定通り引き上がるか、追加の告示や通知が出るか
