国民年金保険料は2026年度に月額17,920円へ:毎年変わる理由と確認ポイント
国民年金保険料は2026年度、2025年度の月額17,510円から月額17,920円に変わっています。
増えた額は月410円、1年分では4,920円です。対象は主に、自営業者、フリーランス、学生、無職の人などの「国民年金第1号被保険者」です。会社員や公務員は厚生年金保険料として給与から差し引かれるため、今回の月額保険料を自分で納付する形ではありません。
- 2026年度の国民年金保険料:月額17,920円
- 適用期間:2026年4月分から2027年3月分まで
- 2025年度との差:月410円増、年4,920円増
- 金額が毎年変わる理由:法律で決まった基準額に、物価や賃金の動きを反映するため
変更内容:2026年度は月額17,920円
日本年金機構の案内では、2026年度の国民年金保険料は月額17,920円です。2025年度は月額17,510円だったため、毎月の負担は410円増えました。
主な金額を並べると、変化は次の通りです。
| 年度 | 対象期間 | 月額保険料 | 前年度との差 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 2024年4月〜2025年3月 | 16,980円 | – |
| 2025年度 | 2025年4月〜2026年3月 | 17,510円 | +530円 |
| 2026年度 | 2026年4月〜2027年3月 | 17,920円 | +410円 |
「毎年なんとなく上がるもの」と見えがちですが、国民年金保険料は単純な値上げではありません。2004年の制度改正で決められた保険料額を土台にし、その後の物価と賃金の変動を反映して毎年度の実際の金額が決まります。
なぜ毎年変わるのか
国民年金保険料は、毎年度の見直しが前提の制度です。日本年金機構は、実際の保険料額について「平成16年の制度改正で決まった保険料額」に、物価や賃金の伸びに合わせた保険料改定率をかけて計算すると説明しています。
基準額は令和元年度以降17,000円
計算の出発点になる金額は、2004年の制度改正で決められました。当時の改正では、国民年金保険料を段階的に引き上げ、令和元年度以降の基礎となる保険料額は月17,000円とされています。
ただし、実際に払う額がずっと17,000円で固定されるわけではありません。ここに保険料改定率がかかるため、2026年度は17,000円ではなく17,920円になります。
2026年度は物価・賃金の動きが反映された
日本年金機構の計算表では、2026年度の実際の保険料額は次の要素を経て月17,920円になっています。
- 前年度の保険料改定率:1.030
- 物価変動率:2.70%
- 実質賃金変動率:マイナス0.40%
- 2026年度の保険料改定率:1.054
- 基礎となる保険料額:17,000円
- 実際の保険料額:17,920円
つまり、家計から見ると「月410円の負担増」ですが、制度上は、固定された基準額に経済指標を反映した結果です。
ここがポイント: 国民年金保険料は、国や日本年金機構が毎年自由に決めている料金ではなく、法律で決まった基礎額に物価・賃金の動きを反映して算出されます。
対象者:自分で国民年金を納める人が中心
今回の月額17,920円が直接関係するのは、国民年金の第1号被保険者です。
主な対象は次の人です。
- 自営業者、個人事業主、フリーランス
- 農業・漁業などに従事する人
- 20歳以上の学生
- 無職の人
- 退職後、厚生年金から外れて国民年金に切り替えた人
一方、会社員や公務員は通常、厚生年金に加入し、保険料は給与に応じて決まります。配偶者の扶養に入る第3号被保険者も、自分で国民年金保険料を納付する扱いではありません。
ただし、退職、転職、扶養から外れた時期によっては、途中から第1号被保険者になることがあります。納付書が届いた場合は、すでに厚生年金に加入していないか、免除申請中ではないかを確認してください。
開始時期:2026年4月分から2027年3月分まで
2026年度の保険料は、2026年4月分から2027年3月分までに適用されます。日本年金機構は、2026年度分の納付書を2026年4月1日に発送すると案内しています。
納付期限は、原則として納付対象月の翌月末日です。たとえば2026年4月分の保険料は、翌月末が納付期限になります。
注意したいのは、納付書が届いたからといって必ず未納とは限らない点です。日本年金機構は、次のような場合にも行き違いで納付書が届くことがあると説明しています。
- すでに厚生年金保険に加入している
- 免除・納付猶予申請や学生納付特例申請が審査中
- 口座振替やクレジット納付を申し出ている
- すでに前納で納めている
生活への影響:年額では4,920円の増加
月410円の増加でも、1年では4,920円になります。夫婦でそれぞれ第1号被保険者として納める世帯なら、単純計算で年9,840円の増加です。
毎月払いの場合、2026年度の負担は次のようになります。
- 1か月:17,920円
- 6か月:107,520円
- 12か月:215,040円
国民年金保険料は、食費や通信費のように自由に減らせる固定費ではありません。だからこそ、負担が重い場合は「払わない」で止めるのではなく、免除・納付猶予・学生納付特例を確認することが重要です。
必要な対応:納付方法と前納割引を確認する
納付方法は、金融機関、郵便局、コンビニ、電子納付、スマートフォン決済アプリなどから選べます。口座振替やクレジットカード納付を使っている人は、通知書や明細で引き落とし額を確認しておくと安心です。
前納すると割引がある
国民年金には、一定期間分をまとめて納める前納制度があります。2026年度の前納額は、厚生労働省の発表で次のように示されています。
| 前納区分 | 口座振替 | 現金納付・クレジットカード |
|---|---|---|
| 6か月前納 | 106,300円 | 106,650円 |
| 1年前納 | 210,530円 | 211,220円 |
| 2年前納 | 417,150円 | 418,510円 |
毎月納付と比べた割引額は、口座振替の1年前納で4,510円、2年前納で17,370円です。まとまった資金を先に出せる人にとっては、負担を少し抑える選択肢になります。
ただし、2年前納の納付書は通常の納付書に同封されないため、希望する場合は年金事務所への確認が必要です。2026年4月から2028年3月までの2年前納の納付期限は、2026年4月30日と案内されています。
払えない場合は免除・猶予を先に確認
所得が少ない、失業した、学生で収入が限られるといった場合は、制度上の手続きを確認してください。
- 学生以外:免除・納付猶予申請
- 学生:学生納付特例申請
- 申請窓口:市区町村役場、年金事務所、郵送、マイナポータルによる電子申請
未納のままにすると、将来の老齢基礎年金だけでなく、障害基礎年金や遺族基礎年金の受給要件にも影響することがあります。払えないときほど、申請できる制度を先に見るべきです。
注意点:2027年度分もすでに公表されている
厚生労働省は、2026年1月23日の発表で2027年度の国民年金保険料額の公表にも触れています。日本年金機構の前納額の案内も、この公表を受けて2026年度の前納額を知らせるものです。
2026年度だけを見ると月17,920円ですが、2年前納を考える人は2027年度分も含めて支払うことになります。前納は割引がある一方、退職後の再就職、厚生年金加入、免除申請の可能性など、自分の今後の働き方によって向き不向きがあります。
最後に確認しておきたい点は次の3つです。
- 2026年度の月額は17,920円で、2025年度より月410円高い
- 金額は毎年、基準額に物価・賃金の動きを反映して決まる
- 負担が重い場合は、未納にせず免除・猶予・学生納付特例を確認する
次に見るべきなのは、2027年度の正式な月額、前納期限、そして自分が第1号被保険者として納める期間が何か月あるかです。年金保険料は「月額」だけでなく、「何か月分を自分で払うのか」で家計への影響が大きく変わります。
